【ドラマ感想】連続ドラマW さまよう刃 最終話2021年6月26日放送分(主演:竹野内豊ほか)【あらすじ・視聴率】


その他のドラマの感想はこちら→連続ドラマ感想一覧

ついに最終回。前回の感想が飛んでいたのでそこも少し。
前回の唐突の犯人との出会いは予告編で知っていたので、てっきりあの場面で引きになるか、射殺して最終話は回想的なものになるかと思いきや、普通に逃げられて終了。そして、自首を思い立つもさらにまた犯人の情報の連絡を受けて犯人の元へ向かうラストで終了。
そして今回。なんだか辛いなー。竹野内豊は殺されるんだけど、なぜ殺されたんだろう。猟銃を持っていたのならもっと早くに犯人に向けて発砲することも可能だったのに。あえて拳銃を構える警官の中に飛び出し、犯人にかなり近寄るまで打たなかった。解釈としては最初の殺人はまさに怒りの衝動に駆られたものでためらうタイミングがなかったが、今回はある程度冷静になっており、恨みはあれど引き鉄を引くことをためらっていたのかもしれない。もしくはこのまま逮捕されれば死ぬことができないので、刑事に自分を撃って欲しかったのかもしれない。死にたかったんだろうね。娘が死んで自分も人を殺して、もう生きることが辛いよ。罪を償うって恨む相手を殺した罪と向き合うなんてそんな人生はもっと送れないよ。これが長峰(竹野内豊)の望むラストだったのかもしれない。

では主犯のカイジはなんだったのか。結局寂しくて犯罪を犯したなんてありきたりなセリフで全てが終わるのかもしれないが、まあその程度の話なのだと思う。最後に少しだけ信頼した誠に、友達とだなんて思ったことなかったと言われ、まあそうだろうな思う反面、直接的に言葉にされると悲しかったんだと思う。いろいろなことが刹那的で全てがどうでもいいんだろうね。懲役は10-15年。作中でも言っていたけどそんなものか。何人もの人生めちゃくちゃにしたのにね。

カイジにくっついていた誠が何も罰を受けなかったのが面白くなかったなあ。ただ、こういう感情が処罰感情っていうんだろうね。作中の人間は誰も私自身には関係ないのに、ただただ、のうのうと生きられるのは許せないといった感情。ネットでお前関係ないでしょっていう人が批判を浴びせるのってそういう感情も少なからずあるよ。例えば不倫した芸能人を叩くのは自然なことでもあると思うんだ。それで、誠は最後花を手向けて涙していたけれどその感情はいつか薄れていくものだと思うよ。

タクシーの運転手もまたかわいそう。っていうか先週誠をぼこぼこにしたのかと思ったらそうではなかったんだね。カイジは殺したいほど恨んではいたけど、関係者の少年にはそれほどでもっていう感じだったのかな。殺したい相手に逆に刺されて重傷を負って終了って、なんともやるせないね。このタクシー運転手はカイジが刑務所から出てくるのをひたすら恨みながら待ち続ける人生を送ってしまいそう。つらい。

そして、國村が演じた刑事だよ、問題は。てっきり少年が長峰に情報を流していたのかと思ったら國村が流していたという真相。これは全く予期してなかったのでびっくり。刑事としてはあるまじき行為だけど、だからこそ退職したんだろうね。実際、長峰は自分の怒りを犯人にぶつける機会を得ることができてよかったのかもしれない。

正義ってなんだろうね。人を殺すってなんだろうね。最近黒人を逮捕の際に殺してしまった白人警官が懲役22年を課せられたけど、あれもひどい話だね。白人に落ち度があったとは思うけど、あくまで職務上の事故だし、殺意だってなかったと思う。まあ詳細はわからないけどね。それでも懲役22年は政治的な意図を含んだ判決であることは間違いないでしょ?結局、人が人を殺すという行為は平等なのに、罪の重さを決めるのは人間。殺すという行為自体に罪は存在しないのかもしれないね。

最後、三浦貴大も自分の拳銃使用を悔いている場面も見られたけど、あれも殺人には変わりないもの。腕を狙って胸を撃ってしまったというのならそれはまさに過失致死だよ。むしろ長峰を楽にさせてあげたいと思って殺すことを選択していた方が綾部刑事としてのキャラに沿った展開だった気もするね。

ということで、さすがWOWOW。なかなかに重たいパワーのあるドラマでした。拍手。


You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>