【ドラマ感想】「クライシス公安機動捜査隊特捜班」第10話(最終回)2017年6月13日放送分(小栗旬、西島秀俊、田中哲司、新木優子、石田ゆり子他)【あらすじ・視聴率・ネタバレ】


kuraishisu10

※公式HPより引用

その他のドラマの感想はこちら→連続ドラマ感想一覧
前回の感想はこちら→クライシス第7話感想

 ついに最終回。ざっくりと全編を通じた感想を述べると、やはり惜しかったという印象。世間では、評判は良かったということだが、個人的にはいまいち。最後の結末はまさに同じ脚本家の「ボーダー」とほぼ同じようだっただけに、演出家が今回は失敗したということだね。ただ、あの結末も2度目になると、そこまで驚きがないというか、なるべくしてなった感があったので、もっと隠しても良かったかなと。
 では、最終回の感想を具体的に。先週、爆弾で吹っ飛ばして、みんな重症かなと思わせておいたものの意外と軽症だったのはまずがっかり。ただ、あくまで、黒色火薬のみの脅しだったと補足説明があったので、納得。演出過多が問題なだけ。爆風でももっと重傷受けないのかな?とちょっと調べたんだけど、大丈夫みたい。被害状況から、窓枠破損ぐらいまでの被害だったから、爆風の圧力は恐らく1kgf/cm2程度。この場合だと、致死率は1%以下で稀なんだって。みんな一応プロなので防御姿勢とっただろうし、あの程度の被害なのは納得。ちなみに、殺傷目的の場合は爆弾の周りに金属片を配置しておいたりして、それで殺傷力を高めているらしいよ。怖いね。
 で、復活と同時に実はUSBにウィルスを仕掛けていたよという展開。これで、相手の居場所を突き止めるも、全く意味なく逃げられる。そもそも、そういったことに長けていそうなプロがその危険性を考えずにUSB使うかなって疑問がよぎったけど、逃げ切る自信があったのか、どこかに捕まえて欲しいという願望があったのかと考えることもできるので流そう。小栗旬が拳銃を向けるも発砲しなかったは、しなかったのではなく、できなかったということだろう。過去に人を殺したトラウマから逃れきれていないことの表れだと思う。実際、これまでの話で小栗が人に向けて発砲したことはなかった(あったら、ごめんね)。
 首相を矢で射抜いたシーンも、さすがにミスらないだろう、何か意図があってのこととお思ったら、案の上長男を呼び寄せるためだったと。でも、逆にそんなことしたら、長男来るわけないじゃんって思うんだけどね。なんでこんな回りくどいことするんだろうって。別に日本に帰りたがってるんだから、今わざわざこんなことしなくても、おとなしく、帰ってくるのをじっと待ってればいいのに。
 首相は転倒によるケガということに情報統制されたみたいだけど、これで思い出したのが谷垣さん。自転車で転倒した奴。あれってもしかしたら、テロだったのかもね。転倒ということにして大騒ぎにしなかっただけとか。陰謀論は結構好きだ。
 そして、重病説までささやかれる中、のこのこと帰国した長男。こんな帰国したら、重病説に拍車かかるじゃん、というツッコミはさて置き、ラストの戦闘シーンに突入。
 パパラッチに化けて、追跡してきた金子ノブアキはササッと、西島と新木と片づけ、残りの二人もちゃちゃっとやっつけます。それにしても人間ってこんなに簡単に気絶するんだね。怖いわ。そして、ここでも、無駄な演出がね。自動扉のガラスを拳銃で打ち抜くっていうやつ。なんとなく迫力だすためだけの発砲。2発も。微妙だよねえ。むしろあんなところのガラスがあんなバリバリに割れるわけないし。
 戦闘シーンは今回は必然性もあったし、これまで通り迫力もあり、良しとしましょう。最終回だしね。最終回ぐらいは派手なアクションシーン入れてもいいと思うよ!毎週はうざかったけど。ナイフの傷口握るシーンは致そう過ぎて見てられなかったけど。
 で、結局殺さずに終了。小栗旬君の説得にほだされて逮捕されるという決着へ。でもさあ、殺す価値がないとか、そういう話じゃないんだよね。気持ちの問題なんだよ。価値とかではなく、とにかくこいつを殺さないと自分でもどうしていいかわからない感情が抑えきれないんだよ。だから殺そうとしてるんだよって言うことでしょ?価値云々で言えば生かす価値もないってことになるだろうし。でも、結局金子ノブアキくんも人を殺すことはしたくなかったんでしょう。誰かにとめて欲しかった。それが根底にあったんだと思う。結局誰かに悩みや苦しさを聞いてもらえれば少しでも救われれば、後は自分の中でどうにか気持ちの整理ができる人間だったんだろうね。小栗君はいい仕事したと思う。
 と思った矢先に、狙撃で金子死亡。口封じだろうねえ。もうちょっと放送時間あるなーと思ったらこれかあ。みんな唖然。小栗君がいい表情してた。ああいう表情で切る俳優は少ないよ。
 長男のこのこ帰ってきたなあと思っていたのも、まさか首相が囮に使うためにむしろ呼び寄せたっていうんだから、恐ろしい。そして納得。息子二人いるから一人ぐらい死んでも悲しいが致し方ないということか。一国の首相になる人間はこれほどまでに達観していないとなれないものなのだろうか。ある意味大物だよ。首相の息子がテロリストだったなんてことが世界に知れたら、それこそ、日本の地位が下がる。隠し通すことはある意味、国のために行動する政治家としては当然の選択か。
 しかし、これは小栗君たちが納得できるものではなくて。国民のためでなく国家のために働いているみたいだって話が合ったけど、悪い政治家だって国民のためだし、結局その機関の一員である以上、上の方針従うのが当然。それが嫌ならやめるしかない。で、辞めたと。最後の速報は各々がテロリストになったって襲ったということの暗示でしょう。テロリストを追う側だった人間が最終的にテロリストになる。「ボーダー」で殺人者を追う刑事だった小栗旬が最後殺人者になるという展開と完璧にリンク。リンクしすぎだった。
 ということで、このドラマの通しての感想はやはり、惜しいに尽きる。最終回のできは良かっただけにそこに至るまでがぶれていた。すべてを小栗旬がテロリスト側に回るという事柄への伏線として、密かに忍ばせる程度の演出にして置いておけばラストの衝撃が強まって名作になったものを、各話でカッコいいシーンを描こうとするあまり、その本筋から外れてしまった。また、回ごとでテロリストの行動にも一理あるよね、また、警察の上層部って最悪だねっていう展開を配置しすぎたことで、小栗旬がテロリストに回ることがある意味必然になってしまったというか、そりゃもう、警察恨むよ、って納得できてしまうだけのお膳立てが整い過ぎてしまったのが痛い。もうちょっと、「えー、ここでそんなきっかけでそっち側に行ってしまうんだ!?」程度の納得感に抑えてほしかった。5人全員が超えるのではなく。あー、おまえは超えてしまったんだなという程度に。
 ただ、最後の方はあくまで憶測なので、意外とテロリストにはなってなくて、映画版とかで、テロリストになった元メンバーと小栗が戦うなんていうのもありかもしれないね。


今週の視聴率9.6%

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
にほんブログ村


You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>