【ドラマ感想】「anone」第10話最終回2018年3月21日放送分(広瀬すず、田中裕子、小林聡美、阿部サダヲ、瑛太、坂本裕二脚本ほか)【あらすじ・視聴率】


anone10

※公式HPより引用

その他のドラマの感想はこちら→連続ドラマ感想一覧

感想は途切れてしまってはいたけど、ドラマは最後まで視聴。
最終回の視聴率は散々みたいだったけど、
今期のドラマでは一番、面白かった。

でも、これって、もしかして、ハルキストと同じ心理状態なのかなとも思ったり。
自分は坂本裕二脚本のこの雰囲気が好きで好きでたまらないという感じ。
一般の人からすると、わかりづらいとか、クセ強すぎとかで面白いと思えないのかも。
実際、村上春樹の本、面白くはあるけど、キザ過ぎとか、どことなく古いとか、ちょいちょい表現が気持ち悪いとか思っちゃう方なので、そう考えると、この視聴率の低さもどことなく納得。

いや、でも、冷静に考えてもやっぱり面白いよこのドラマ。
そしてなにより、この最終回が素晴らしかった。
最終回って、種あかしだったり、色々な決着だったりが出されて、案外大味というか、その終着点にのみ着目しがちなんだけど、このドラマの最終回は全く違くて。

確かにそれぞれの顛末が描かれてはいるのだけど、その一つ一つの描写がすごく丁寧で、最終回なのに繊細でかつ驚きもあり、悲しくもあり、温かい余韻にも浸れるという素晴らしく濃密な最終回だった。

ハリカちゃんはハッピーエンドかな。初めて自分のやりたいという感情に沿って、自分のために行動することを決意。でもこうなってくると、自分の境遇だとかに苦しんだりすることもあるのかな。自分は二の次で相手の幸せのためなら自己犠牲を問わない優しいのか危険なのか紙一重の発想からは脱却できるのかもしれないけど、それはそれで人間らしくなると同時にハリカちゃんの魅力が失われて行かないか心配。でも大丈夫か、帰る場所もちゃんとあるしね。

あのねさんは一番幸せかな。3年刑務所に入ったけど、家族が増えた。素晴らしいこと。あおばさんはどうかな。結局幽霊と一緒に生きていくんだから、半分死んでるみたいなことかな。アノネさんとハリカちゃんがいればなんとかなるか。それにしても阿部サダヲがお化けになる展開は全く予想できませんでした。素晴らしい。

一番苦しんでいるのは瑛太かな。どんなことがあったのかは明確化されていないけど、8歳の弟が理不尽なことで死んで、自分はそれを助けられなくて。それがずっと心の中にあって。ということだと思うけど、だから、はると君への接し方に嘘はなくて、そこにはきちんと愛があって。だからはると君も瑛太のことを信頼していて。結局ここも、にせものの兄弟としてお互いを支え合っていたのかな。
瑛太は懲役八年。待っててくれるのかな。鈴木杏はいなくなってしまったままで終わりなのかな。

今回のテーマは「ニセモノ」。偽物だって本物よりも本物なものってあるんじゃないのかな。偽物と本物の違いって何だろう。それって誰かが勝手に決めただけのルールでの本物と偽物でしょ?どちらが正しいとか、どちらが優れているとかそんなの決めつける必要なんてないよ。そんなことを考えさせてくれるドラマだった。

良作。坂本裕二にはずれ無し。

ではまた。

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
にほんブログ村


You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>