※公式HPより引用
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最終回。
それぞれの家族が抱えてきた問題が、少しだけ変化して、終わった。
10数年抱えてきた問題が、一人の人間の自殺という出来事で動き出す。
身近な人の死というのはそれだけ人の心を動かすことであると同時に、それだけではここまで積み重ねてしまった家族の問題は解決しない。
工藤阿須賀は本当に自分の目指したかった医者をもう一度目指すことで、家族と向き合うことを決断したが、これがどういう結果をもたらすかわからない。医学部にすんなり受かればいいが、あの生真面目な性格であると、失敗し続けたとき、自分を追いつめることになるかもしれない。そうしたとき、井上真央ちゃんに暴力を振るったように、あれだけ嫌っていた兄のような振る舞いになってしまわないか。
そういう可能性を踏まえた上での決断であるから、勇気のあることだと思う。
仲間由紀恵は自分が息子を追いつめてしまったかもしれないという事実に向き合うことができた。ただ、その事実を受け止めきれてはいない。妹はそんな母でもそばに居ることで自分の存在意義を感じ、幸せを感じている。
これがいつまで続くのか、少しづついい方向に向かっていくのか、それとも、結局壊れ切ってしまうかもしれない。妹はこれまで飢えていた分、反動的に母親に依存してしまうかもしれない。それこそ、自分の幸せをないがしろにして。
井上真央はやっと、母親にこれまでの思いを伝えることができた。母親に悪気がないのはわかる。そして愛している。でも、それが井上真央自身を苦しめたということは事実。その事実に母親に気づいてほしい。そしてそのことに謝罪の言葉が欲しい。母親自身の行動が娘にどんな感情を抱かせたか、どんな行動をとらせたか、しっかりとわかってほしい。本当の意味で娘である私のことを見てほしい。そんな思いが詰まったシーンだったなと思う。
自殺という選択をした吉岡君を許せない。悪いとは言っていない。許せないと。難しい。
死という選択が最悪の手段だということは結局言い切れないよ。
それは近年作られてきた価値観であって、それに従うことは正しいのかな?
全編を通して、胸の苦しくなる話が多かったけど、良いドラマだったと思う。
ではまた別の感想で。