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ついに最終回。
もともと好きな作家さんで、同性愛をテーマに取り上げた作品を書くということで最初から注目。少し同性愛ブームみたいなものが来ていた時期だったから少しそんな流れで書かれるのは嫌だなとは思いつつも、丁寧な心理描写とトーマの優しい笑顔に惹かれのめりこむ。
途中からは不定期連載になって、話も少し冗長にはなってきたけど、しっかりと同棲を好きになること、人を好きになることを描いてきた。
それだけに、今回のラストはすごく残念だった。
トーマと太一が結婚してるんだもん。
別に結婚する必要はなかった。太一は女の子が好きだったし、もちろん、女性と付き合ってた経験のあるゲイなんてたくさんいる。でもどこかで違和感感じながら付き合ってる人の方が多いと思うんだ。
太一はそういうんじゃなかった。もちろん、トーマと付き合うみたいな時期はあってもいいと思う。でもやっぱり違うよ。二人はお互いの価値を認め合ったうえで親友になってほしかった。
二人が結婚というゴールは、もちろん二人が幸せならそれは喜ばしいことだけど、そうなる可能性を本編ではみじんも感じていなったのに、最終回でこういう展開を入れてしまうのはやっぱりがっかりかな。
現実そんなに甘くないよ。すごく好きで、ノンケの男性と付き合ったとしても、結局やっぱり女の子がいいとか、キスを拒まれたりとか、うまくいかない。
しかもトーマは太一のことを人としてすごい好きだったのだと思うけど、結構ガチめのゲイだから、もっとこう性欲的なもので引かれる同性がいっぱいいると思うんだよね。モテると思うし。高校生であれほど好きだったあの子のことを忘れて、別の人とキスしている人なんてたくさんいるもの。
なんだかこれまでせっかくリアリティというかリアリティはないけど、特有の葛藤を正面から丁寧に描いてきていただけに、最後急に希望というかファンタジーというか、あまりに理想的すぎる結末がどうしても納得できなかった。
なんだろう、自分にはこんな結末来るわけないから僻んでるだけなのかな。まあきっとそうだろう。